PERSON 人を知る

田中亜弥さん
INTERVIEW

Aya81 Personal Training Studio パーソナルトレーナー

田中亜弥 AYA TANAKA

Aya81 Personal Training Studioの紹介

「女性が心身ともに健康で理想的な体を手に入れられるサポートをします!」がコンセプトのパーソナルトレーニングジムです。そして、トレーナーである田中さんは、国内外のパワーリフティング大会で常に上位の成績をおさめているという一面も。丁寧なカウンセリングでお客様一人一人の“目的”に応じたメニューを作成し、セッションを重ねていきます。この仕事にかける思いをお聞きしました。

  • 吉祥寺

interview インタビュー

Q1:周囲からどのようなイメージを持たれていると思いますか?その理由はなぜですか?

 「よく頑張る人」「いろいろ挑戦する人」というイメージを持たれていると思います。
 幼い頃から、両親が笑っていると嬉しいと感じていました。親を喜ばせるために、勉強も運動も学芸会も、何に対しても一生懸命がんばるこどもでした。周囲からの評価が良くないと必要以上に落ち込んでしまうところがあります。一時期は、人に評価されることを意識しすぎて自分を追い込んでしまい、健康を害してしまったこともありました。人に評価されたい、という気持ちは人一倍強かったと思います。

Q2:そのイメージは自分が望むイメージと近いですか?

 現在はパーソナルトレーナーとして活動していますが、20代の約10年間、歌手として芸能活動をしていたことがあります。私自身は、自分に特別な才能があるわけではないと思っているので、厳しい競争の世界でどうがんばるかと考えたときに、例えば路上ライブで活動しながらCDを手売りするということに挑戦しました。結果、5年間で手売りだけで売り上げた数は、累計50,000枚にまでなりました。
 例えばそのような部分で、人からは「よく頑張る人」「挑戦する人」と見られていると思います。
 歌で感動してもらうのはもちろんなのですが、どちらかというと歌っている私の姿そのもの、挑戦している私の全てを見て感動して下さる部分が大きかったと思います。 今は、他人からどう見られたいか、ということは考えなくなりましたが、「挑戦すること」は私自身が常に大事にしてきたことです。今後も続けていきたいです。

Q3:自分が望む他者に与えたいイメージとはどのようなイメージでしょうか?

 こどもの頃から他者の評価を常に意識して生きてきた私ですが、30代になってからはあえて“どう見られたいか”ということを考えないようにしています。
 “どう見られたいか”ではなく、“私が人に対して何を提供できるのか”、ということにシフトチェンジできるようになってきました。私をどう見るかはどうぞお好きに、と思えるようになりました。私自身が「どういう自分でいたいか」ということを大事にした結果、結局「私は頑張る人なのだから私のままで大丈夫だ」、という答えに辿り着くことができました。

田中亜弥さん

Love

Q1:「愛を伝える」と聞いて、自分にとっての愛とはなんですか?

 今は、お客様に全力を注いでいます。とにかくお客様に還元したい。それが愛を伝えることにも繋がっていくと思います。
 カウンセリングを通して、お客様が本当に大事にしていることは何か?を丁寧に探ります。誰でも全てを手に入れることは不可能です。いくらがんばってもできないものはできない。例えば、痩せたいけど食べたい、など、どうやっても無理なことがあります。だから、何ができて何ができないのか。現実を提示した上で一緒に目標設定していきます。また、目標達成に向けてその人それぞれのライフスタイルに寄り添った提案をするようにしています。痩せたいとか、痩せた、とかいうことだけでは、その人のその先の人生を考えていないことになると思っています。
 以前は、どんな人も助けたいと思っていましたが、今はお客様の先の人生を見据え、ほんとうにその人のためになる提案ができない場合、例えば短期間で20キロ痩せたい、という極端なご要望や、体を壊すようなプランニングはお断りすることもあります。極端なダイエットで摂食障害になった経験があるからこそ、お客様にしっかり現実をお伝えし、愛のある厳しさで本気で向き合い支えとなるトレーナーでありたいと思っています。

Q2:トレーナーとしての「こだわり」はありますか?

 現在自分のジムを運営するようになって2年になります。
 パーソナルジムはたくさんありますが、「痩せる」ことを目的として通われている方も多いと思います。体重や見た目を重視したやり方もありますね。
 でも、私が軸としたいのはそこではなく、「心身ともに健康であること」です。そのためには、筋トレや食事管理が必要です。お客様の快活な毎日のためのサポートをしていきたい、という強い思いがあるので、そのポリシーを曲げずにやっていきたい、ということから独立の道に踏み切りました。
 例えば、食べすぎを引き起こす原因は人によって違います。原因となっているストレスがあるならば、そこから根本的に見直さなければならないと考えています。 私自身の経験から、食事の大切さについては特別な思いと考えがあります。「食べることは生きること」だと思っているので、食べることを疎かにせず、「食事制限」ではなく「食事管理」をしていくことを重要視しています。

Q3:とても難しい領域ですが、ご自身の経験が大きく影響していますか?

 芸能の仕事(歌手活動)を20歳から10年ほどやっていました。他者からのイメージを常に意識せざるを得ない仕事でしたが、私の場合は真面目さが祟ったのか意識しすぎてしまい、全てにおいて完璧でなければ、ということがもっと痩せなければいけないという方向に偏り、いつの間にか摂食障害になってしまいました。
 そして同時に私の母が拒食症となり、入院するほど体調を壊しました。大切な人が食べられないことがこんなに悲しいということを思い知りました。
 だから、まず自分のことを大切にしてほしい。自分を大切にすることで周囲も大切にできるということを身をもって体験しているので、お客様にも伝えています。

Q4:「筋トレ」「パワーリフティング」に行き着いた経緯は?

 拒食症から過食症になり、まともに食事が摂れない時期が続きました。アーティストとして人前に立つことが仕事なのに、食事さえきちんととれない。大人として食事のコントロールひとつできない自分が心底嫌になりました。
 そんな日々が続く中、芸能活動を休んででも「自分を変えなくてはいけない」と思うようになり、始めたのが筋トレでした。
 やるなら本格的にやると良いよ、と勧めてくれたのは夫です。もともと私は筋肉質で、それをコンプレックスのように感じる部分もありましたが、根っから中途半端なことが嫌いな性格なのでやるならちゃんとやろう、とボディビルのメッカと言われるジムに入会しました。
 自分も本格的なトレーニングに挑戦してみたいと思っていた矢先、知人のアドバイスでパワーリフティングをやってみることになりました。そこから私のパワーリフティング人生が始まりました。

Q5:パワーリフティングに出会って何か変わりましたか?

 パワーリフティングを始めたばかりの頃は、食べることだけでなく、大会の際に人前で体重を測ることや体重を知られることさえも苦痛でした。
 でも、競技に真剣に取り組んでいくうちに強くなりたい、結果を出したい、という気持ちが強くなりました。そのおかげで「強くなるために食べる」という思考に変わっていき、「食べることの大切さ」を痛感するようになりました。そしたら、体重についても気にならなくなっていきました。
 これは摂食障害だった私にとって革命的なことだったので、摂食障害を経て食べることが大事だと考えられるようになった私の体験をもっと世の中に発信し、苦しんでいる人の助けになりたいと思っています。

田中亜弥さん

Action

Q1:現在、どのような活動をされていますか?

 私が摂食障害だった頃、誰かに食事や体型のことを相談したいのに相談できる人がいない、またはどうせ理解してもらえるわけがないと悩んでいました。
 でも、筋トレを通して摂食障害を克服できた経験から、今悩んでいる人の力になりたいと思い、パーソナルトレーナーとして活動を始めました。
 摂食障害を抱えている人は、10年、20年と長く患っている人も多くいます。根本的な原因に気づけていないことが長期化を招いています。過食は、多くの場合ストレスの代償行為です。何か強いストレスを感じ、それが一番身近な食事に出るというパターンです。女性の場合は、そこに体型へのコンプレックスなど他の要因が重なり、摂食障害に繋がっていることが多いです。摂食障害に片足を突っ込んでいる人は世の中にたくさんいます。そのことに気づいていない人も多いのをトレーナーになってからより実感しました。
 だから、お客様が家族にも言えなかったようなことや女性ならではのお悩みを相談しやすいジム環境を作りたいと思い、女性専用の完全個室のパーソナルジムを開業しました。
 これからも体型に対するコンプレックスや摂食障害で辛い思いをされている女性を一人でも減らし、心身共に健康的で明るい生活を送れる手助けをしていきたいと思っています。

Q2:これからどんな活動をしていきたいですか?

 女性トレーナーがまだまだ少ない業界なので、女性の同業者から指導してほしいというオファーも頂きます。しかし、私の場合は個人的な経験すべてが指導内容に反映されているので、私と同じ人材は作れないし、今は後継者の育成はかなり難しいと考えています。
 でも、正しい筋トレと食事管理の大切さをもっとより多くの人に届けていきたいとは思っています。「亜弥さんの考えをもっと広めてほしい」と言ってくださる方もいるので、いずれは講演会やセミナーなどで、自分の考えやメソッドをより発信していきたいと思っています。

Q3:SNSなどで積極的に発信されていますね。どのようなメッセージを伝えたいですか?

 世の中にまちがったダイエットが広まっていて、それによって体と心を壊してしまった方々に対し「もっと自分のことを好きになって大事にしていいんだよ」というメッセージを伝えていきたいです。
 うちは広告も出していない小さなパーソナルジムですが、お客様が探して辿り着いてくださいます。来ていただいたお客様に満足していただき、結果を出すということを地道に続けていきたいです。
 そして、特に摂食障害で苦しんでいる10代くらいの若い世代、まだ知り合えていない人たちにも自分の考えを発信していきたいです。
 自分がやってきたことのすべては知識や経験となり、行き着くところは結局お客様です。経験のすべてが、私がお客様に還元することの材料となっています。例えば、パワーリフティングのトレーニングの過程からは学ぶことがとても多いです。
 人は何かを突き詰めることで、自分の強さや弱さを知ることができます。そのことを私のお客様にも体験していただき、私が提供できる価値として還元したいと思っています。
 やっぱり、人って自分のためだけにはがんばれないですよね。お客様がいてくださるおかげで私もがんばれています。
 この仕事をしていることで、自分を客観視できるようになりました。自分が発信することによって助けられる人がいる、お互いに助け合える、ということを世の中にもっと広げていきたいです。

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