PERSON 人を知る

阿部華奈絵さん
INTERVIEW

未来を変える選択は自分にしかできない

有志団体ゆでたまご

阿部華奈絵 Abe Kanae

有志団体ゆでたまごの紹介

阿部さんご自身の経験を生かし設立した有志団体。児童養護施設を巣立つ若き子が相談できず孤立しないように、相談支援ガイドブックを制作するなどの活動を行う。
大きな帰路を一人で悩まず、より良い道を選べるよう道筋を照らす灯台のような団体です。

  • 三鷹

interview インタビュー

Q1:周りの方からどのようなイメージを持たれていると思いますか?

普段なにをしているのか分からないと言われます。ジャンルを問わず色々な活動をしているので、知り合いが私を紹介する時に、どう話したらいいか悩むと言われたこともあります。

Q2:その理由はなぜだと思いますか?

面白そうな活動を見つけるとすぐに、首を突っ込んでしまう所があります。
今は子どもから、お年寄りの方までの幅広い年齢層の方々と関わるような仕事したり、合間を縫って地域活動をしています。活動ジャンルの幅広さが「謎」と思われている原因かもしれません。

Q3:今の周りのイメージは、ご自身の理想とは近いですか?

一日一日を大切にして、チャレンジする日々を過ごしているので、理想に近いと思います。
日々やってみたいことが変化するので、1年後自分がなにをしているのか、自分でも楽しみにしながら毎日過ごしています。
「キャンプインストラクター」になるのが夢ですが、今は敢えて違うことに挑戦しています。例えば、目的やゴールが決まっているゲームが簡単に攻略出来てしまうと面白くないですよね。それと同じ様に、夢も直ぐに叶ってしまうと面白みがなくなってしまうと思ってます。私は探検しながら一歩ずつ進んで、ゴールの夢にたどり着きたいです。また、様々な分野を経験することで、私にしか伝えられない事や、多角的な視点を持った人間になりたいです。

阿部華奈絵さん

Love

Q1:「愛を伝える」と聞いて、自分にとっての愛とはなんですか?

私にとって“自然“が愛であり自身の原点です。幼い頃はよく家の近くの河原で遊んでいました。草や小枝の他に、河原に流れ着いたガラクタも遊び道具にして、そこにあるもので楽しんでいました。なんでもトライするアクティブな「行動力」はその時に養われたと思います。現在住んでいる三鷹は自然が多く、やってみたいと思っていた畑仕事にも携われて、日常的に緑を感じながら生活できるので、自分に合ってる環境だと思います。

Q2:阿部さんはすごくエネルギッシュですが、その原動力はなんですか?

15歳の頃に見た、自分がおばあちゃんになった夢がキッカケです。白いベットに横たわり、病気か歳のせいか身体はうまく動かせない。誰かを呼んでみるが辺りは誰もおらず生死をさまよっていると、走馬灯のように過去のことが頭をよぎり「若い頃にいっぱい挑戦しておけばよかった」と後悔して生き絶える。そんな夢を見ました。とてもリアルな夢だったので、目が覚めて鏡で中学生の自分の姿を見たとき「若返った!」と錯覚したくらいでした。私はこの夢を見てから、人生について考えるようになりました。
「若い頃の辛いことも楽しいことも、年を取った頃には思い出になる。やりたいと思ったことは絶対全てやる!夢は今すぐ叶えなくていい。少しずつ叶えていこう」と思ってます。

Q3:自分のモチベーションを保つために、何かしてることはありますか?

「好きな事も無理をしない」をモットーにしています。
自分のキャパシティを理解して行動し、自分と向き合う時間をつくるようにしています。昔、無理をしすぎて身体を壊してしまったことがあり、今はできる事を把握して他の人に頼るようにしています。そして、心身共に疲れ果てないよう森や山に行き、一度気持ちをリセットする時間を作っています。自然のに囲まれた場所に行くと、幼い頃、河原を探索し、何もない場所で自分なりの遊びを考えていた頃のように、悩みを解決するヒントが見つけられる気がするんです。気持ちを落ち着かせ、また頑張ろうと思える大事な時間です。

Q4:現在「愛」が一番向いている関心事はなんですか?

いろんな方たちと繋がる事です。一時期「えんがわや」というシェアハウスの共用スペースでよく勉強していました。近所の子どもたちも自由に出入りができて、その子たちの面倒を見たり一緒に遊んだ事もあります。子どもたちだけでなく、チリンチリン三鷹や畑のお手伝いなど地域の方とも繋がり、介護の仕事も紹介してもらったり、自分の環境を変える多くの出会いがありました。仕事場ではない場所で、そして立場や肩書きに関係なく話せる関係から、新たな発見があるのも、楽しくて心地よいです。今の自分には、欠かせないことだと思っています。

阿部華奈絵さん

Action

Q1:有志団体「ゆでたまご」を始めることになったきっかけはなんですか?

高校生の頃、「児童養護施設で生活していた自分は不幸だな」と感じていたのですが、たくさんの人と話し、色々な生き方があると学び、「児童養護施設経験者」というのも、ひとつの生き方なんだと気付かされました。
そのとき、「これから施設を巣立っていく人たちにも、色々な生き方があることを伝えたい」「社会に出る彼らの可能性を広げ応援していきたい」と思ったことがきっかけです。

Q2:現在はどのような活動をされているんですか?

現在は、行政書士の勉強をしながらチリンチリン三鷹、介護関係、農家のお手伝いをしたり幅広く活動しています。「行動する」ことは一番の信条にしていますが、法律などの知識がないと支援団体も正式な団体にするのは難しいとも思っています。なので「ゆでたまご」は現在、休止中です。法律を勉強しているのは自分自身のためでもありますが、それはいつか人の為にもなると思って、日々学んでいます。

Q3:今後どんな活動をしていきたいですか?

私が学生時代に悩んだように、悩みもがいてる人たちに、人生の道を照らすキッカケになれたらいいなと思います。私の生き方を押し付けるわけではなく、選択肢があることを教えてあげたいですね。こうしなければいけない、型にはまらなければいけないと思っている人たちにそうじゃない生き方もあることを伝えたいです。
些細なことでも自分が経験してきたことで、相手に役立つことがあれば助けになりたくて、これからも”伝える”ということをしていきたいです。

Q4:活動を続けることでメッセージを伝えたい相手にどのようにハッピーになってもらいたいですか?

「ゆでたまご」の活動は社会的養護を受けている人たちに向けて行っていますが、それ以外にも悩みを抱えている人たちがいます。「過去は変えられないけれど、未来はどう選択するかによって変えていくことができる」と伝えていきたいですね。

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