PERSON 人を知る

岡村良太さん
INTERVIEW

家族と幸せに生きるための独立支援を

有限会社グッドファット 代表取締役

岡村良太 Ryota Okamura

有限会社グッドファットの紹介

人として、居酒屋人として、本気の仲間と共に勉強し、成長を楽しみながら、その空間を造り上げていく。「骨付きもも焼き もも吉」をはじめ、吉祥寺を中心に、居酒屋・レストラン・バーの経営、飲食店の経営コンサルタント、プロデュースを行う会社。独自のプログラムで、社員の独立支援にも尽力。

interview インタビュー

Q1:岡村さんは他人からどのようなイメージをもたれていると思いますか?

良く言えば自由、悪く言えば勝手っていうイメージはあるのかなって。

Q2:それはなぜ?

創業店舗に『ガチャガチ屋』って店があって、そこは今『cosi cosi』ってお店で元従業員が切り替えてやっているんです。2.3年前にそこをやめたあたりから、新しい業態にチャレンジしたり業態変更をしたり、いろんなことにチャレンジして自由で面白そう、でもそこのお店が好きで行ってたお客さんはその変化を残念だったり、勝手とも思ったのかなと思います。

Q3:『良く言えば自由、悪く言えば勝手』というイメージに満足されてますか?

いい部分に関しては、自由ってチャレンジしてるなって部分はそのままでいいなと思う。ただ本質、なぜやめたり変化したりするのかは説明しても伝わらないと思ってるんです。それぞれの想像でいろいろ思われてるのは仕方ないかなと。

Q4:勝手と思われても変化していくのはなぜですか?

時代や街や人が変わる、店の従業員が変わる、家族構成が変わる、お客さんも変わっていく中で、お店が変わっていくってことは悪いことではないと思っています。
コンセプト・世界観って見えないものじゃないですか。それをマッチさせるのは、お店を理解してるスタッフがいるからこそ。お店に対する思いがあるスタッフが自分しかいなくなったとき、お店が変わる時かなと思います。もちろん利益が出なくなった時にも、経営者としてやめる判断をします。でも利益が出ていてもただの作業というか、ただ利益がでているからやってるお店にはしたくないと思いますね。

岡村良太さん

Love

Q1:岡村さんにとっての愛とはなんでしょうか?

家族かな。家族と一緒に幸せに生きるというのが、愛かなと思っています。
働いてくれてるスタッフには、独立したいと思って働いてくれてる人もいて、自分と自分の家族がちゃんと生きていける力をつけなさいっていうのは伝えているつもりですね。
家族を幸せにするには、生きていく力を磨いていかないといけないと思うんです。目の前のお客さんを喜ばせられなくて家族を喜ばせられるのか、家族を喜ばせられなくてお客さんを喜ばせられるのかって、かけ離れているようでそうじゃなくて。当たり前に目の前のお客様を喜ばせることで、生きていく力を磨くというか。

Q2:なるほど。人を喜ばせるのって、相手を観察しないと難しいですよね。

独身の子に、家族との幸せって話をするとピンとこない子も多いんです。ただ自分が独身の時は、いつか持つ家族ができたときにちゃんと養っていきたいなと考えてて、その人それぞれ、家族それぞれの幸せ、自分の幸せ、自分の家族の幸せのために、自分を磨きなさいということですね。それを伝えていきたい。目の前の人を大事にしなさい。家族を大事にしなさいって。

Q3:自分を磨くって例えばどんな風に?

自分で考えるってことと、任せるってことを大事にしてるつもりで、経験するってこともですね。『百聞は一見に如かず』って言葉があるじゃないですか。それはすごく正しい考えだなと。でも現代、わたしは『百見は一体験に如かず』かなと思っているんです。SNSとかインターネットとか、見る機会はたくさんあっても、体験する機会は自分があえて動かないとないですよね。体験して、痛かったり嬉しかったりを感じないと、分かったつもりでしかないと思うんです。そういうことを大事にしてほしいなというのも含めて、自分たちで考える=店を任せるというのを大事にしています。

Q4:粗削りでもとにかく考えさせて体験させてみると。

ただ最初から何でもできるわけではないので、その結果どうだったのかってのは話を聞いたり、自分も一緒に体験したり。体験することは、まあ一言でいえば財産かなって。体験・経験をして知りえることって代え難い財産かなと思うんです。

Q5:僕は体験すると個性も強くなるって思うんですけどどうですか?

わかります。個性って人の個性を吸収しようとする人ほど、個性を認められるというか。自分の個性ばかりを大事にすると、拒絶するし、いいチームワークができない、いいコミュニケーションができないんですよね。

Q6:岡村さんはチャレンジする人が好きなんですね。

時代は変わりますし、自分なんかも家族ができて考え方が変わりましたし、経験値が多くなって色んなことに対応できないと、どこかで息詰まる。どんどんチャレンジする強さが必要なんじゃないかなと思いますね。自分の家族の幸せとは何ぞやっていうのを自分で考える、それに対して頑張るのが大事なのかなと思いますし、自分自身がそういうチャレンジとか、自分らしく生きていくってのを大事にしたいなって思ってます。

Q7:チャレンジした人へのフォローとかってどうしてますか?

もう一回チャレンジする気持ちがあれば何度でもチャレンジするかなって。心が折れてないかの確認くらいですかね。心が折れてる子に頑張れというのは酷なことだと思うんです。頑張ることをやめるというのも選択肢、こればっかりは本人じゃないとわからないですから。でも頑張る気持ちがあるうちは一緒に頑張ります。
頑張る気持ちのあるスタッフには、そのスタッフ主体でことをすすめたりします。自分はこうしたほうがいいっていうのに賛同する子は徹底的に一緒に勉強していこうとか。結果的に伝わらなかったり、うまくいかなかったとかもありますけど、でもそれって失敗になるのかな?って思います。いろんな状況含めて諦めるって判断をすることはあるんだろうけど、やってきたことが本気であれば必ずそこには財産が蓄えられていると思うので、それを大事に次頑張ろうって。

Q8:失敗って何ですかね。失敗ってわかっててやらなかったことが失敗?

うーん、言い訳とかやっているふりとか、嘘をつくとか、そういうのが失敗かな。そのことを続けたことによってうまくいかないのは失敗ですよね。
一生懸命やったのであれば、結果はどう転んでもいいんじゃないかなってのはありますね。やってみて、色んな事を経験して、極端な話ここをやめて違うことをやりたいチャレンジしますってなっても、ちゃんと頑張ってきた人間に対しては応援します。やめてみた結果やっぱり違ったって戻ってきた人もいるんですけど、それでいいなって思ってるんです。他のことを経験して、戻るべき場所をわかるというか。

Q9:岡村さんのチャレンジとか体験に重きを置くのはご自身の経験から?独立前とか。

独立前に働いていたお店が、任せてくれるところだったので、自信とか気づきとかたくさんもらえたというか。それが自分の独立の基盤になっているので、独立したらそういう環境は作りたいなとは思っていました。その頃に一緒に働いた先輩後輩には、同じく独立してる人も多いんです。部活の延長というか兄弟というか、でも社会人としてのベースでもあり、すごく濃い、5年くらいでしたね。独立してからも、その想いを残しつつ自分のアレンジをして、そのような会社にしたいなと思ってやってきました。

Q10:例えばどんなアレンジを?

まずは待遇面ですね。給料とか休みとか、早いうちから取り組みました。昔は当たり前だったんですけど、飲食では週休1日が当たり前で、夏休みが少しくらい。それを変えたいと思ったんです。
自分はずっと独立志向があって、休みを返上してでも勉強したいと思ってて、まわりの同じ考えのスタッフと切磋琢磨してたんです。ただ、そうはいっても週に1回しかない休みに勉強してると、息切れするんです。勉強する休みの日以外にも、息継ぎをする休みの日が必要だなと思いました。毎週休みを息継ぎに充てるのもいいんですけど、新しいものを取り入れるのは成長に必要不可欠で、だから休みを充実させるていうのは大事だなって。

岡村良太さん

Action

Q1:今後どのようなことをしていきたいですか?

自分と同じように独立をするって想いを持って働いている人への支援です。リスクがあってもサラの状態から独立していく人が多いんですけど、それって資金面とかで今の時代難しくなっていて。だから独立したい子の想いのお店を自分が共同で作って、その子が切り離せる状態になったら完全な独立にする。これをやっていきたいです。
元従業員がやってる『cosi cosi』は初めての独立支援モデルで、私が経営していたお店を引き継ぐというかたちで独立しました。最初から自分が引き継ぐことを前提で一緒にお店をつくったほうがお店を大事にすると思うし、お互いに良いんじゃないかなと。

Q2:独立支援をやっていくなかで、どうハッピーになってもらいたいと思いますか?

自分が家族を持った時に、自分と自分の家族が幸せになってほしいです。独立をみんな目標にしますけど、そのあとのほうが圧倒的に長いので、死ぬまで幸せにやってくれればいいなと思いますね。一店舗をやり抜くのか、複数店舗やるのか本人次第ですけど、そのなかで自分の生き方として飲食店居酒屋を選んでるわけですから、それで幸せになってもらいたいです。

Q3:家族と一緒に幸せにというのが、岡村さんのベースにあるんですね。

家族犠牲にして仕事ばっかりってそれで幸せなのかなって思います。家族との時間って大事ですからね。それに家族との時間を犠牲にしたらお店がうまくいくのかって、そんなに甘くないですからね。
私はいま山梨に住んでまして、上野原なんですけど、一人娘の小学校入学を機に引っ越したんです。週末は妻の実家の井の頭にいることも多くて、二重生活みたいな感じなんですけど。居酒屋のオーナーで地方に住んでるとか意外と少なくて、こういう生き方もあるんだよとは伝えてますね。

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