PERSON 人を知る

平住周恵さん
INTERVIEW

それぞれが生きたい道を歩み、それを受け入れることが自然な社会へ

吉祥寺手技療法院

平住周恵 Chikayoshi Hirazumi

吉祥寺手技療法院の紹介

『手技療法』とは、整体・オステオパシー・身体均整法など、主に手を用いて行う施術の総称をいい、 筋肉・骨格を見つめ、「人間の持つ身体のバランスを取り戻す代替医療」です。日々の生活でストレスや疲れ、食生活などの様々な要因で歪んだ身体を整え、本来の健康で豊かな身体を取り戻すことを目指す。また、地域福祉活動にも尽力。

interview インタビュー

Q1:平住さんは他人からどのようなイメージをもたれていると思いますか?

よく言われるのは『よくわからない人』です。
商売っ気があまりないないので、お店を閉めて地域のボランティア活動を行なっている日もあります。お客さんから「普段なにやってるの?」って聞かれることも多いです。
お店を立ち上げて個人で仕事をしていくのは、自由と引き換えに責任も伴いますが、会社に所属していたら絶対できない生き方ができますし、それを心がけています。
常連のお客さんもいるので簡単に今の仕事をやめたりはしませんが、他にやりたいことができたとき、それを選ぶ覚悟は常にできています。

Q2:どのようなボランティア活動を行なっていますか?

高齢者施設で要介護になることを予防する体操・指導を行なっています。活動を継続していく中で、身体を意識的に動かし続ければ運動機能は衰えないということを、高齢者の皆さんを通して自分自身も勉強させていただいています。地域との繋がりを大事にされている法人からのご依頼もあります。お手伝いの窓口を広げているところです。

平住周恵さん

Love

Q1:平住さんにとって愛とはなんですか?

『相手を受け入れること』です。
僕は、生きることそのものが表現だと思っていて、それを否定したり排他的に扱うのは違うんじゃないかなと。自分は自分でしかないし、相手も相手でしかない。個人的な感情で相手を否定するのは簡単だけど、どんな生き方も一つの選択肢であって、自分が相手のような生き方をしていた可能性もある。
怒りを覚える相手に対しても愛情は持っています。一見、理解できないと思った生き方をしている人も、観察すると自分が思いつかないような考え方で動いている。それがわかると、怒りよりも凄いという気持ちになります。

Q2:『受け入れること』って実践するのはなかなか難しいですよね。

受け入れるためには、相手をよく観察するのが大切だと思います。
自分は物心ついたときから人を観察することが癖になっていました。当時はわかりませんでしたが、気付きやすい子どもだったのかなと思います。身近な大人、例えば先生って未熟な子どもからしたら絶対的な存在じゃないですか。でもよく観察すると、先生にも好き嫌いがあるのがわかります。
自分も含め、誰しも矛盾した行動をすることはあって、そういうのを含めて人間で、だからこそ『受け入れること』に繋がるんです。

Q3:インタビューをしているはずが、相談に乗っていただいている気分に…(笑)

僕のことを整体の先生と見ていない人もたくさんいます。整体を受けに来たのに、人生相談になっていたり。お客さんから「ついつい話したくなる」とよく言われるんですけど、僕が受け入れる態勢でいるからだと思います。
相手のことを受け入れるって本来はとても自然なことで、日本的な考え方なんです。相手をやっつけるんじゃなくて、相手と歩調を合わせて、戦闘を回避する。その考え方ができる人が減っているから、生きづらいのかもしれません。

Q4:『受け入れること』を大切にしたエピソードはありますか?

僕はアメリカの大学に進学したのですが、「日本人は何かにつけ、決めることを急いでいるな」と感じました。
大学のクラスメイトに70歳のおじいちゃんがいて、彼は勉強がしたいから勉強するという当たり前のことをしているだけなのですが、当時の僕にとっては衝撃的でした。アメリカでは、転職のタイミングで資格取得のために大学に入学する人も多いんです。30歳くらいまで資格を取りながらアルバイトをして、即戦力で就職する人もいます。
日本人は、進学、就職、結婚、昇進…みんなと同じタイミングで人生の転機が訪れないと失敗だと思ってしまう人がとても多いです。この生き方は、今の日本の社会では安定して成功できるかもしれませんが、その通りに生きなくても自分自身の人生で成功を証明させればいいと、僕は思います。生きたいと思った道を歩めばいい。型にはまった生き方ももちろん選択肢のうちの一つです。どの生き方も「良いじゃん!」って素直に思います。
僕自身、今でも勉強し続けていて、自分はどう死んでいくのが幸せなのかなと考えています。

平住周恵さん

Action

Q1:武蔵野市で開業されたきっかけはありますか?

たまたまです。空いていた物件が今の場所でした。
吉祥寺で活動していると、武蔵野市の人ってみんな地元が大好きなのがよく分かります。最初は何でこんなに好きなんだろう?と思っていたのですが、地域の人と仲良くなって、話をしたり共に活動することで、武蔵野市の良さがたくさん見えてきました。今では僕も武蔵野市が大好きですね。
地域に愛着を持っていないと、街を良くしていこうとはなりません。『街を発展させる』と言っても、根底の気持ちががどうかで違ってきます。『何の為に、誰の為に』という行動の源を大切にしたいです。内側から変えていきたい。結果的に自分の住みやすさに繋がり、孤立しない環境になると思います。

Q2:今後一番やっていきたいことは何ですか?

「武蔵野地域の人たちってなんか違うよね、良いよね」と言われるような地域のモデルケースを作っていけたら面白いと思います。チャンスがあるなら、意見を集めて表に立って動く立場にもなりたいです。
日本全体を変えるのは大変ですが、身近な社会、例えば家族や友人、学校、もっと広げて街、地域…そういう小さな社会から良い方向に変わっていけば、それが広がっていくと思います。まずは自分の目の届く人、自分に関わってくれた人にプラスの影響を与える人間になりたいです。

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