PERSON 人を知る

品田マルクス高志さん
INTERVIEW

記憶の技術で、100万人の生活を豊かに

ソーシャル・コネクト株式会社 代表取締役社長

品田マルクス高志 Takashi Markus shinada

ソーシャル・コネクト株式会社の紹介

ブレイン(脳)をアクティブ(活性化)する記憶の技術である「アクティブブレイン」の研修を日本全国で実施。講師である品田さんはドイツ生まれ、幼少期に来日してからは、西荻窪・三鷹・武蔵境と中央線沿いにて生活しながら、大企業から個人に至るまで、セミナーを350回以上開催している。

interview インタビュー

Q1:周りの方からどのようなイメージを持たれていると思いますか?

「色々なことに興味を持ち、新しいことをどんどん始める人」「友達が多い人」「アクティブな人」と思われていると思います。

Q2:その理由はなぜだと思いますか?

色々な団体に顔を出していて分野問わず活躍している仲間がたくさんいるからかもしれません。人と会って話をしたり、話を聞くのが大好きなので、どんどん人に会う予定を作ってしまうのです。自分自身でもイメージ通り、かなりアクティブだと感じていますし、周りにも『ありのままの自分』がかなり伝わっていると思っています。

Q3:「ありのままの自分」を周りの人に伝えたい、それが他者に与えたいイメージということでしょうか。

『感情や気付いたことを全部出して、素直な自分をさらけ出す』のが今の自分だと思っています。現在は、記憶の技術を伝えるアクティブ・ブレインの講師を勤めていますが、受講者さんとは『教える・教わる』だけの立場ではなく人間同士の繋がりも大切にしています。受講者さんの心を開くためには、まずは自分の素の姿を見せることが大切と考えているからです。

Q4:「ありのままの自分」を見せるために何かしていることはありますか?

Facebookを『自分の素をさらけ出す場所』として活用しています。仕事以外の投稿も積極的に出すようにしていて、関心のあることはニュースでもネット記事でも、自分の考えやコメントを添えてシェアするようにしています。これは自分自身の勉強のためでもあるのですが、投稿を目にした人が何かに役立ててくれると嬉しいなという思いもあってしています。
時にはあえて自分の失敗談や弱い部分を見せる場合もあります。以前、保育園の先生をしていたのですが、保育士試験の報告もFacebookで公表してきました。二次試験の絵が原因で試験を一度落ちた際も報告していたのですが、再挑戦した二回目で合格報告をしたら自分史上最高のいいね数と「感動した」という沢山の声をもらえて、とても嬉しかったのを覚えています。
ありのままの自分に興味を持ってくれた人との間にコミュニケーションが生まれ、何か少しでも面白い人や楽しい人だ、と感じてもらっているのではと思います。

品田マルクス高志さん

Love

Q1:「愛を伝える」と聞いて、自分にとっての愛とはなんですか?

やっぱり他者、森羅万象すべて。人間だけじゃなくて、動物だとか自然に対する愛情も大切だと思っています。生物に限らず、物に対しても同様です。子どもの頃は、ボーイスカウトの活動の中で自然に触れたり、学校では飼育委員もしていましたね。そうやって、愛情や興味が育っていったんだと思います。
物に対しては、こだわりのあるものを大切にすることが大事だと考えています。iPhoneのように時代に合わせて進化していくものは数年毎に最新の機種を買いますが、洋服の中には20年以上着ているものもあります。僕、結構物持ちがいいんですよ。今使用している自転車は、新卒入社して20年間勤めたIBMで初めてもらったボーナスで購入したものなので、もう30年くらい愛用しています。その時の自転車屋のおじさんには「50年持つよ」と言われたので、60年くらいは乗りたいなと思っています。

Q2:わざわざ人には言わない自分の「こだわり」はありますか?

何か技術を身に着ける際には、とにかく努力が必要だと思って行動しています。たとえ苦手だなと思っても、『自分にとって大切だなと感じたもの』は時間をかけて何回も繰り返して身につけてきました。
最近は「品田さんって天才肌だよね」と言われることもありますが、元々は勉強がとにかく出来ない子供でした。小学校では三段階評価の「頑張ろう」が多かったり、中学時代は1や2も多かったです。
IBMに入社してからも、最初の8年間は本当にどん底でした。成績の低い新入社員一覧には毎回必ず自分の社員番号が入っていました。決して怠けていたのではなく、人の3〜5倍時間をかけないと記憶できない、というのを自覚していたので毎日定時に上がる同期を横目に深夜まで勉強していました。お客様先へパソコンを教えに行った際、たまたま遭遇した2年下の後輩に「品田さんがお客様に研修をするのですか?成長しましたね。」と言われたことも、今でも強く覚えています。みんなから駄目だ駄目だと言われ続けて彷徨っていた8年間でしたが、その期間があったからこそ『自分にやりたいものがあれば何とかなる』ということを学ぶことができました。

Q3:そういった過去や努力があったのはとても意外に感じました。

今でこそ話す仕事をしていますが、下積みの8年間では「あなたは言葉がたどたどしい。あなたのプレゼンテーションは駄目ですね。」と研修のインストラクターに何度も指摘を受けました。
生まれてから1歳10ヶ月までドイツ語の環境にいたんですが、家庭の事情で日本へ引っ越してきたんです。ようやく脳が形成されるタイミングで環境がリセットされ、普通の子どもに比べてうまく言葉を話すことができませんでした。あまり公表していないのですが、IBM入社2〜3年目ぐらいからは苦手意識も強くなり、話し方教室に通っていました。休みの土日には欠かさず長時間、人に対して説明するための練習を重ねてきました。練習の甲斐あって間の取り方や話題の選び方がだんだん上手になりましたね。

Q4:当時から人と話すお仕事には興味があったのでしょうか。

『自分の発言や発信した情報によって誰かを幸せにしたい』という思いはずっと持っていました。子どもの頃から、役に立つ情報やハッピーになる情報を届けて、相手がハッピーになっていることが楽しいと思っていたのを覚えています。今でも、自分が何かをやってあげた人が輝いていたり楽しそうにしている姿は嬉しく、『誰かの喜びのきっかけを作る仕掛け人になりたい』とアクティブ・ブレインの講師を続けています。

品田マルクス高志さん

Action

Q1:長い下積みの期間を乗り越えたきっかけはあったのでしょうか。

僕の転機は「楽しい仕事、楽しくない仕事は自分では選ぶことができない。会社員である以上、お客様も上司も仕事内容もタイミングも君には選ぶ権利がない。その代わり、『仕事を楽しむか、楽しまないか』は自分で決められる。」という会社の先輩の一声でした。その一言で、仕事をやらされているという意識から、仕事を楽しむという意識にマインドチェンジできました。
仕事を楽しむようになってからは、結果も返ってくるようになりました。「こういうのを作ったらみんな喜んでくれるかな?」と、自分で企画して作成したサーバーセールス用のセールスガイドは、バイブルと呼ばれるようになり、累計で5万部発行されて、数十億円のビジネスを創出しました。IBM時代の後半の10年間は、WebCastというWebで配信する動画のコンテンツに多数出演していたのですが、アクセス数は2年連続でIBMでNO1でした。当時は今のようにインターネットで気軽に一般人が顔を出して話す文化がなかったので反響も大きく、お客様先に行くと私の動画を見ている方からは、ニュースキャスターが来たかのように驚かれて、喜んでもらえることもありました。IBMを退職する日に、自分の退職の挨拶をYoutubeに載せて情報発信もしました。今でもYoutubeに残っているので大切な思い出です。

Q2:現在はどういったときに楽しいと感じますか?

アクティブ・ブレインを伝える事が楽しいと思っています。講座内容を考えている時間は楽しいし、受講者さんが嬉しそうな顔をしていると更に楽しい気持ちになります。
そして受講者さんをはじめ、『社会との縁』も僕にとって大きな楽しみです。僕の仕事は縁が縁を呼んで生まれたものが殆どです。受講者さんがネットに記事を出してくれたり毎日色んな人たちが紹介してくれて、そこから興味を持ってくれる人たちとの縁が生まれています。ビジネスを除いても、僕はどんな関係でも一度繋がった人との縁は大事にしています。今まで、小学校から大学まで同窓会の幹部やIBMのOB会の委員なども積極的に引き受けてきました。
かつて働いていた保育園での経験や、園児や保護者との繋がりも大切な縁です。最後は三鷹の保育園にいましたが、駅周辺にいると今でも「品田先生!」と声をかけてくる園児もいるんですよ。僕は今54歳で、あと40年ぐらい経つと94歳。その年齢になった時、園児たちは今の僕くらいの年齢になっています。その頃もその子たちが「品田先生!」と来てくれたら、そんな風に想像するだけで嬉しいですね。

Q3:今後どんな活動をしていきたいですか?

アクティブ・ブレインを世界中に広めていきたいです。これについては2つの側面から考えております。
一つ目は、海外に在住している日本人向けに広めたいと思っており、実際に9か国の方が私のアクティブブレインの講座を海外からZOOMを使って受講して頂いております。日本に住んでいる方とヨーロッパに住んでいる方が、同時に受講する時は、ヨーロッパが昼で日本が夜の場合が多いので、受講者様も楽しく受講されています。
もう一つ目は、色々な国の言語で世界中にアクティブブレインが広まったら良いと考えています。幸い私は、私と同じように二つの国のルーツを持つ仲間が沢山いるので、その仲間達を通じでアクティブブレインが世界中に広まったらと思っております。

Q4:品田さんが届けるハッピーが目指す先にはどんな未来がありますか?

『100万人の生活が豊かになるきっかけを作りたい』というのが僕の最終目標です。身体が動くうちは生涯現役で楽しむことを忘れずに、みんなをハッピーにする活動を続けたいです。アクティブ・ブレインに限らず様々なコンテンツを作って発信していき、自分がきっかけの一つになって、幸せに繋がる人が100万人位になったら楽しいなと、そんな未来を考えています。

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