interview インタビュー
- Q1:周囲からどのようなイメージを持たれていると思いますか?その理由はなぜですか
「個性的」「変わっている」という印象を持たれることが多いと思います。幼い頃から、他の子とは興味を持つものや視点が違っていて、他の子はしていないであろう市報を読むのが趣味でした。読み始めたきっかけは吉祥寺に住んでいた祖父母との交流のためでした。よく遊びに行っていて、共通の話題を作ろうと吉祥寺を歩き、開店閉店情報など街ネタを集めていました。自分一人の足では情報が足りなくなってきて、市報を読むようになりました。当時は三鷹市に住んでいたので、祖父母が住む武蔵野市との市報の違いが目に止まり面白く感じ、そこからより良いまちにするために働く市長に興味を持ち、まちのために行動できる人に憧れを持つようになりました。当時は小学生でしたが、この頃から「地元愛」に目覚め始めていました。それが今の自分に繋がるのですが、その時は周りの子達と興味を持つ対象が違ったので、「変わった子」と思われていたでしょうね。
- Q2:そのイメージは自分が望むイメージと近いですか?
そんなにズレはないと思っています。二十歳の時に三鷹市長(当時)の清原慶子さんにお会いした時に、「新しい価値を生み出せるような人になって欲しい」というお言葉をいただきました。それ以来、新しい価値は他の人と違う興味や視点があったり「変わっている」からこそ生み出せると信じています。だからこそ、変であることを追求したいと思っていますし、「変わっている」と言われるのは今は褒め言葉だと思っています。そういう意味ではなりたい自分にはなれています。
- Q3:自分が望む他者に与えたいイメージはどのようなイメージですか?
「武蔵野市での暮らしを誰よりも楽しんでいる人」です。武蔵野市や三鷹市がきっかけでまちに興味を持ち、大学や就職先も、まちに関わることを軸に選択をしてきました。思い返してみると、”まちについて学ぶ”のではなく、”まちから学ぶ”ことが圧倒的に多かったように思います。そしてそこには魅力的な人が必ずいました。まちの魅力は、地域のポテンシャルもあると思いますが、そこに住む人がつくってきたものが大きいと思います。魅力的な人になるというのは難しいかもしれませんが、武蔵野市での暮らしを誰よりも楽しんでいる人という印象を持って頂けたら嬉しいですね。
“Love”
- Q1:「愛を伝える」と聞いて、自分にとっての愛は何ですか?
自分にとっての愛はシンプルに武蔵野市、三鷹市です。行政だけではなくまちに関わるものは全て好きです。幼い頃から持っている「地元愛」と「街を良くしたい」という想いが原動力になり、今では全国的な地域問題や抱えている課題にも関心を持つようになりました。
全国のまちの状況や情報に触れることで、様々な対応策や知識を学び、それを最終的には武蔵野・三鷹で活かしていきたいと思っています。
- Q2:わざわざ人には言わない、自分の「こだわり」はありますか?
ポリシーは誰よりも楽しんで好きなことをやるということです。何事も自らが楽しんで心から好きだと思って取り組まないと、いいものができないと思っています。自分が楽しめなくなってしまったらおしまいなので、これはいつも心がけています。
- Q3:現在「愛」が1番向いている関心ごとはなんですか?また、そのきっかけはなんですか?
一人ひとりの声を聞く機会や場をつくることですね。
行政関係の仕事では、アンケート調査を住民に対して行うことがあるのですが、選択肢では伝えきれない回答がいい事も悪いことも自由記述に書かれていることに気づいて、一人ひとりの声に興味を持つようになりました。
決められた選択肢の中から答える統計的で表面的な声ではなく、住む人のリアルな声を聞くことで、具体的な改善方法が見えてきたりします。時には、選択肢にはないけれど、多くの人が感じている課題が明らかになることもあります。こうした経験から、数値化できる定量的な調査だけでなく、数値化が難しい定性的な部分にも着目していきたいと思うようになりました。堅苦しい言い方になってしまいましたが、もっと気軽に、誰とでも話せる場所をつくって、様々な声に触れたいと思っています。
“Action”
- Q1:今までどのような活動をされてきましたか?
高校時代に『まちづくり読本』を読み感銘を受け、その本の著者の一人である小田切教授がいる大学に入学し、さらにはその本を出版していた会社に就職しました。なぜその出版社を選んだかといいますと、「地元愛」と「まちを良くしたい」がそこにも関係しているんです。まちの役に立つためには、もっと武蔵野市や三鷹市以外の自治体のことについても知る必要があると思い、全国の自治体と取引をしている出版社に就職しました。周りからは、市の職員になると思われていましたが、視野を広げるためにも、各自治体の情報や政策を知れる環境に身を置きました。正直な話、武蔵野市と三鷹市のどちらも好きで選べないというのもありましたね…。
- Q2:現在、どのような活動をされていますか?
自治体のアンケート調査や行政計画の策定をサポートする会社をやる傍ら、「ぷらっと吉祥寺」というコミュニティスペースをやっています。近所の高齢者の方々から買い物に行くのも一苦労だと伺い、近所に何かちょっとした楽しみ、気軽に立ち寄れる場所があればと、自宅のガレージを開放しコミュニティスペースを始めました。果物販売や小さなイベントを地域の方向けにやっています。楽しく生活するうえで重要なことは、なんでもやってあげたり、与えるのではなく、やりたいこと、やれることをサポートすることだと思っています。ここでは一人ひとりの声を直接聞くことが可能なため、チャレンジしてみたいことをやったり、特技を披露したり、それぞれが輝けるような場所を目指しています。
- Q3:今後、どのような活動をしていきたいですか?
コミュニティスペースを始めて、一人ひとり個性や強みを持っていることに改めて気付かされました。それを生かすことができれば、もっと楽しいまちになると考えています。そういった環境をつくることが今後やっていきたいことの一つです。可能性は無限大で、様々な人がいるからこそコミュニティは成り立つと思っています。無理矢理近所付き合いをするのではなく、純粋に楽しいって思えるような場を作っていきたいです。地方とは違い周りとの距離感を自分で決められるのが東京の良さなので、その特徴を残しつつ、繋がりたい時に繋がれる環境にしていきたいですね。
- Q4:その活動は誰のために行っていますか?活動を続けることでどのようにハッピーになってもらいたいですか?
人はどこかのまちに住んでいるという点で、まちは全ての人に関わることだと思っています。だからこそ私は、すべての人に対して愛を持っていますし、その人たちに向けて活動しています。地方に限らず、まちに関わるうえでづくりに欠かせないポイントは世代の循環です。子どもからお年寄りまで、今住んでいる人たちだけでなく、次に住む世代に向けて活動することが重要になってきます。その際に価値観を強要はせず、感じ方は人それぞれだからこそ、好きになれる要素をたくさん作ることによって色々な人に好まれる街をつくっていきたいと思っています。一人ひとりそれぞれの感じ方でこのまちを楽しんでもらえたら嬉しいです。